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[ 2009-09 -07 23:44 ]
2009年 09月 07日 ( 1 )

「ポー川のひかり」を観ました。
冒頭、大学図書館の古文書が太い釘で床一面に打ち付けられていて、ギクリとします。
犯人は若い哲学教授らしい。
象牙の塔の古い権威と知識偏重に絶望し、過激な批判をこめて過去を捨てた教授が向かった先は、ポー川のほとりの廃屋。そこに住みつき、自然と共に暮らしながら「ポー川のひかり」に癒されていく。

ポー川のほとりに暮らす彼の周りにあつまる素朴な村人たちから「キリストさん」と呼ばれながら交流を深め、生きる意味を取り戻して本当の豊かさとは何かを見出していきます。
オルミの息子、ファビオ・オルミのカメラが素晴らしく、ポー川流域の牧歌的な時間の流れにたゆたいながら、光と影の美しい映像に魅了されます。
紛争、環境問題、経済危機・・・病める現代への痛烈な批判を込めながら、本当の豊かさとは何だろうか?人生の原点に戻って考え直してはどうだろうか?と観る者に問いかけています。
「豊かさって何?」
ひとりひとりまちまちなんですよねえ・・・
私は東京砂漠に長年住んでいるので、この生活を捨てて自然に回帰するなんてできませんが、自分なりにバランスをとりながらヤジロベエ生活を楽しんでいるつもり♪
資産はなくて、つまらないモノばかり持っていてどうするんだぁ~~???
まあね、今夜全てを失くしたとしても多分平気よ。能天気な豊かさがあるもん!!