ホッホーとは、ふくろうの鳴き声です。また、「なるほど、なるほど、ホッホー」と感心する声でもあります。


by hohho-biny

2008年 01月 11日 ( 1 )

震えるアンテナ

昨夜コメントに「震えるアンテナ」と書きながら思い出した詩があります。
2003年の成人の日、毎日新聞の余禄欄で一部紹介された詩です。
2002年秋、ノーベル化学賞を受賞した田中耕一さんの初々しさに出会ったとき、この詩を思い出したと書かれていました。
そして「年を重ねるほど、ずるくもなるし、変なプライドだけが高くなりがちだ。自分の気持ちに素直に語る田中さんの存在は、地道に働くこと、職場の環境に感謝し、同僚を大切にすること、創意工夫すること、いつの世もそこから社会への信頼が生まれることを気づかせてくれる」と綴られていました。
そのとき私は、やはり全文を知りたくて茨木のり子の詩集を調べました。
感動しました!!
全文を書き写してお伝えします。

            汲む       茨木のり子  (花神ブックス1 茨木のり子より)
             ーY・Yにー

      大人になるというのは
      すれかっらしになることだと
      思い込んでいた少女の頃
      立居振舞の美しい
      発音の正確な
      素敵な女のひとと会いました

      そのひとは私の背のびを見すかしたように
      なにげない話に言いました。

      初々しさが大切なの
      人に対しても世の中に対しても
      人を人とも思わなくなったとき
      堕落が始まるのね 堕ちてゆくのを
      隠そうとしても 隠せなくなった人を何人も見ました

      私はどきんとし 
      そして深く悟りました

      大人になってもどぎまぎしたっていいんだな
      ぎこちない挨拶 醜く赤くなる
      失語症 なめらかでないしぐさ
      子供の悪態にさえ傷ついてしまう
      頼りない生牡蠣のような感受性
      それらを鍛える必要は少しもなかったのだな
      年老いても咲きたての薔薇 柔らかく
      外に向かってひらかれるのこそ難しい
      あらゆる仕事
      すべてのいい仕事の核には
      震える弱いアンテナが隠されている きっと・・・
      わたくしもかつてのあの人と同じくらいの年になりました
      たちかえり
      今もときどきその意味を
      ひっそり汲むことがあるのです

この詩を読み返すとき、私の背筋はピッと伸びます。

f0139963_7161225.jpg
今朝太陽が昇ったのは7:09


f0139963_7171757.jpg


            福寿草の蕾がふくらんできました!
by hohho-biny | 2008-01-11 07:20 | ホッホー文庫