古本と喫茶
2008年 01月 25日
ある日、ホッホーさんが出かけそうな気配を感じて、ボクたちはリュックの中に忍び込んだ。
案の定、「今日は、アンパンマンとバイキンマンも連れて行くからね」と言いながら、奴らもリュックに入れた。
やっぱりね! ♪お出かけだあ・・・・♪
バスに乗って、電車に乗って、歩いて、商店街のはずれの階段を上り、木の扉を押した。
木造りの喫茶店だ。あっ!古本屋もある!
「ああ、この前はどうも・・・」と喫茶店のオネエサンに挨拶している。知り合いみたいだ。
「お茶は後でね~」って言いながら、
古本コーナーに行った。
ホッホーさんがまず手に取ったのは、
ふくろう!
手にとって眺め、撫で回し、「これはいい出来だわ!買おう」なんて言っている。
あーあ、またふくろうが増えるぅー ああ、ボクたちの餌代がなくなるぅー
古本屋の若いお姉さんが出てきて、「それは80歳を過ぎたおじいさんがひとつひとつ手で作っているんですよ」と説明してくれた。
感じのいいお姉さんだ、ボクたちはふくろうよりお姉さんの方がいいなあ・・・
連れて帰りたい!
「須坂で作っている土笛で、ふくろうがホッホー、かっこうはカッコウって鳴くんですよ。」
当たり前だよ。かっこうがホッホーって鳴くわけないじゃん。
ホッホーさんは「この子たちも写真撮らせてもらってもいいですか?」なんて言い出したもんで、ボクたちはお姉さんに抱かれて寝かせられたんだ!
もうこのままずっとここで寝ててもいいなあと思ったんだ・・・
ボクたちの頭の上にある布は、柚木沙弥郎の型染めだとホッホーさんが喜んでいた。
山岸鷲雄氏の作品。
須坂の民芸品の土笛は、一時期作る人がいなくなって中断していたものを、20年前に復活させたのが山岸氏。
ふくろう笛はホーホーと低音の魅力。
かっこう笛は、穴を指でふさいで放すを澄んだ音色でカッコウ。
今度はアンパンマンとバイキンマンを出して「この子たちもいいかしらん?」と言うと、お姉さんは本を並べ替えて、いい雰囲気で写るようにしてくれて・・・
ウララさんから借りている奴らは、
その日は仲良くご機嫌だった。
お姉さんはもう一人の編集者と二人で「いろは」という雑誌を作っているらしい。
ホッホーさんはその雑誌をパラパラ見ながら、
「結構こだわりとお金のかかっている本ねえ」なんてぶつぶつ言っていた。
「彼女は古本業界で女性の参加、地位向上に貢献している一人ですよ。ふくろうの笛売っていましたよ~」と場所まで教えてくれたのは、往来座の店主らしい。
やっとお茶の時間になった。
今度は喫茶部のオネエサンに「ここのおすすめはなあに?」なんて訊いて、ベルギービール入りフルーツケーキとアフリカのティーを注文した。
ボクたちも忘れられずにお相伴したんだ。
セピア色の落ち着いた雰囲気のお店で、奥のコーナーはギャラリーになっていた!
本棚の本も自由に読める!
若くて優しいお姉さんたちに出会えてボクたちは幸せだった♪
♪やっぱり若いっていいね!お肌つやつやだし♪ またね、バイバイ