賢治と絵本原画の世界
2007年 09月 27日
連休に平塚市美術館で
「絵で読む宮沢賢治展」を観ました。
賢治の世界は魅力的です。
音と造形が自然の中に満ち満ちていて、幻想の世界に吸い込まれます。
不思議な感触の童話や絵本が多く、その宝石のような作品には、ふるえるような感動があります。
賢治に触発された多くの絵本作家やアーチストたちの作品が展示されていて、個性豊かな筆致を比べてみることができて楽しいです。
「注文の多い料理店」も「セロ弾きのゴージュ」も「どんぐりと山猫」も「雪わたり」も何人かの描き手によって解釈や味わいが異なり、ホッホー、ホッホーと感心して新たな出会いがいっぱいありました。
ホッホー文庫にも賢治の絵本は十数冊ありますが、30~40年前のものはセピア色になり、より味わい深く、
再読すると新たな発見があって何度でも楽しめます。
童話や詩の直筆原稿や手紙なども公開してあり、たっぷり楽しめました。
なんといってもホッホーが一番嬉しかったのは、手紙の裏に書かれた走り書き「ミミズクの絵」に出会えたことです。
この絵葉書は以前、AMさんから頂いたものですが、この本物が展示されています。
「雨ニモマケズ手帳」も展示されていて、直筆のユニークさに思わずにニッコリしてしまいます。
この詩は好きで、若い頃暗礁しましたから、今でもすらすら言えます。
「銀河鉄道の夜」で「けれどもほんたうのさいはひは一体何だらう」とジョバンニがカンパネルラと話していた会話は、現代の私たちへの問いかけにもなっています。
”賢治さん、豊かな空想世界をありがとう”の気持ちでいっぱいになります。