ホッホーとは、ふくろうの鳴き声です。また、「なるほど、なるほど、ホッホー」と感心する声でもあります。


by hohho-biny
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色彩を持たない男の物語

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村上春樹の新刊、読了。
3年振り、内容未公開ということで評判になった発売当日、仕事帰りに寄った駅前の本屋は既に完売!!二軒目の本屋に数冊残っていて購入。
ホッホーは、この長々しいタイトルの「色彩を持たない男」、「つくる」という名前、「巡礼の年」に惹かれたのです。
高校時代、完璧なまでに仲良しだった五人の男女、村上流に言えば、「乱れなく調和する共同体」から、ある日突然、つくるは訳もわからず仲間から絶縁される。自殺まで考えたそれからの日々の苦悩が語られていく。
主人公の多崎以外の男子は、赤松、青海、女子は白根、黒埜というように、アカ、アオ、シロ、クロの色彩が姓に含まれている。
多崎だけが、色彩を持たぬ苗字で、つくるはその事にもこだわり、色彩の希薄な取り柄の無い人間と感じながら生きる。
つくるは、鉄道の駅舎が好きで、仲間から離れて東京の大学で学び、そこで灰田というグレーゾーンの後輩に出会う。灰田との交流は唐突に始まり、唐突に終わる。この人物設定が不思議な空気感をかもし、意味深な記述で、分身的なダークネスかな?と思わせる。
卒業後は駅舎建設の仕事につき、「つくる」ことに生きがいを感じ、36歳を迎え、二歳年上の恋人沙羅に出会い、封印した過去に「私があなただったらそこに留まって、納得がいくまで原因を突き止めるけどな」と背中を押され、巡礼の旅に出る。
あとは各自お読み下さい。
村上小説に流れる北欧の靄のような空気感と主人公の闇がどこかの地下水脈でつながっているのではないか?と思わせます。
by hohho-biny | 2013-04-24 07:28 | ホッホー文庫