ホッホーとは、ふくろうの鳴き声です。また、「なるほど、なるほど、ホッホー」と感心する声でもあります。


by hohho-biny
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みずうみ

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7月16日、今日は海の日。
真夏のような暑さで、ベランダを強風が吹き抜けていきます。
小野竹喬のこの絵葉書が、
今日の暑さにピッタリ。
奥の細道句抄絵 1976年
暑き日に海にいれたり最上川



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7/12の毎日新聞の余禄欄に茨木のり子の詩
”みずうみ”が紹介されていました。
全詩を読みたかったので、
文庫から詩集を出してきました。

この絵葉書は ”水” 
福田平八郎 昭和33(958)年









みずうみ_f0139963_12583126.jpg


”みずうみ”というと、
この絵本を思い浮かべます。
しいんとした静寂につつまれて
おじいさんと少年は夜明けを迎えます。








みずうみ  茨木のり子

<だいたいお母さんてものはさ
  しいん
  としたとこがなくちゃいけないんだ>

名台詞を聴くものかな!

ふりかえると
お下げとお河童と
二つのランドセルがゆれてゆく
落葉の道

お母さんだけとはかぎらない
人間は誰でも心の底に
しいんと静かな湖をもつべきなのだ

田沢湖のように深く青い湖を
かくし持っているひとは
話すとわかる 二言 三言で

それこそ しいんと落ちついて
容易に増えも減りもしない自分の湖
さらさらと他人の降りてはゆけない魔の湖

教養や学歴とはなんの関係もないらしい
人間の魅力とは
たぶんその湖のあたりから
発する霧だ

早くもそのことに
気づいたらしい
小さな二人の娘たち

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遠い声を聞く女 ジョージア・オキーフ
山本容子 1996年

凛とした静かな佇まいに意志の強さが感じられます。








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刺繍する女
リヴモン・プリヴァ(1861~?)

女が向き合う独りの時間
何を想っているのか?

母は若いころから心の底に静かな湖をたたえた女でした。
その湖から発する霧は、今も謎のままなのです。
by hohho-biny | 2012-07-16 13:52 | 詩の時間