言葉の海へ
2012年 05月 01日
言葉の海へ乗り出して、一緒に「大渡海」を作り上げたような深い感動に包まれました。
十数年の歳月をかけて、二千九百数十ページの国語大辞典に心血を注いだ編集者たちの物語です。
言葉の海に魅せられ、辞書作りに情熱を傾けた二十代から七十代の主人公たちの熱い思い!が伝わってきます。
言葉の検討選択、原稿依頼、何回もの校正刷、紙質研究、表紙デザイン決定等などの困難を乗り越えて辞書完成にいたる過程で、こちらまで熱くなります。
本文の中でホッホーの心に響いた言葉を抜書きしておきます。
「記憶とは言葉」
曖昧なまま眠っていたものを言語化すること
「言葉の持つ力」
傷つけるためではなく、誰かを守り、誰かに伝え、誰かとつながりあうための力
「言葉を生み出す心は自由なもの」
自由な航海をするすべての人のために編まれた舟
カバーデザインが素敵!
2012年本屋大賞(全国書店員が選んだいちばん売りたい本)第一位の作品。
三浦しをん作 光文社 2011年9月20日初版第1刷