ホッホーとは、ふくろうの鳴き声です。また、「なるほど、なるほど、ホッホー」と感心する声でもあります。


by hohho-biny
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江成常夫写真展

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写真美術館で江成常夫写真展「昭和史のかたち」を観ました。
今年は、太平洋戦争開始から70年、満州事変勃発から80年の節目。
江成常夫は昭和の戦争とその負の遺産、闇の部分を40年近くかけて写真で表現してきました。
その集大成が展示されています。
「声を持たない人たち」の言葉を拾い、戦争に翻弄された庶民の姿を伝えています。
会場は写真をじっと見入るたくさんの人たちが鑑賞していますが、みんな言葉を失い、静寂に包まれています。

全体は5章に分かれていて、112点あります。




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「鬼哭の島」は太平洋戦争の激戦地となった島々で撮影。
日本軍の真珠湾攻撃で沈められた米戦艦「アリゾナ」からは、今も油が浮いてくる。
(左 オアフ島 ハワイ 2005年5月)

右 満州事変の布告文 長春 1991年

1974年、江成氏は「自分のまなざしで対象と向き合いたい」と12年間勤めた毎日新聞を退社して渡米。そこで「戦争花嫁」と出会い、「戦争の昭和」を振り返る表現をライフワークとしてきました。

「敗戦から未曾有の復興を遂げた反面、戦後社会は死者たちの鎮魂を忘れてきた」と考える江成氏は、あえて昭和の負の遺産に光を当てます。



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第2章、第3章のテーマは満州
「戦争(残留)孤児」の肖像写真が展示されています。
その表情深い思いが滲んで、多くを語っていて、見る者の胸に迫ります。
表情はさまざまですが、一様に「日本への望郷の気持ちが強い」といいます。

第4章は「ヒロシマ」
第5章は「ナガサキ」


被爆者の肖像が並んでいます。
原爆の熱線を浴びて溶けたガラスを見ると、これを浴びた人間はどんなであったかと見る者に想像させます。

悪性腫瘍が見つかり、「一時はもう仕事はできないとあきらめた」江成氏でしたが、死神と折り合いをつけて、2004年から取材を再開、「鬼哭の島」に結実させた、渾身の作品が展示されていて、見る者は言葉を失い、過去の戦争の傷痕に圧倒されます。
by hohho-biny | 2011-08-24 08:05 | 展覧会