無言館への旅
2010年 05月 23日
長野県上田市の塩田平にある
無言館へ行きました。
1997年5月開館した年に訪れて以来、
私は三度目の訪問です。
自ら出征した体験を持ち、戦争を生きのびて画家になられた野見山暁治氏が、戦後ずっと思い続けていた「戦火に消えた画友たち」への思い。その思いに打たれて共に全国の画学生の遺族を尋ね、遺作を集めた信濃デッサン館館長の窪島誠一郎氏。
お二人の奔走と尽力によって戦没画学生慰霊美術館「無言館」は生まれたのです。
全ては賛助基金でしたので、開館時私も心ばかり協賛しました。
目も口も
絵の具の剥げし
兵隊像まずありて
「無言館」の
重き悲しみ
上田市 武井美栄子
1997・5・26(朝日)
無言館の前庭にパレットの形の石像があり、
たくさんの名前が刻まれていました。
無言館への坂道の木立
新緑が素敵♪
坂の途中に
2008年9月20日に開館した分館
「傷ついた画布のドーム」と
「オリーヴの読書館」があります。
無言館開館後に収蔵された作品や常設できなかった作品を展示しています。
前庭には「絵筆の椅子(ベンチ)」
90人の画家や画学生たちの絵筆が埋め込まれています!
壁面を汚している赤いペンキは、
2005年6月18日に「無言館」の慰霊碑にペンキがかけられた事件を復元しています。
「無言館」が多様な意見、見方のなかにある美術館であることを忘れないために作られました。
非戦の庭には、沖縄の摩父仁の丘より採掘された200トンの石が敷かれています。
坂道から振り返ると美しい里山の風景
桐の花が美しい♪
二枚とも絵葉書です。(中は撮影禁止なのでお見せ出来ません)
左は無言館へつづく道と正面、館の全形はコンクリートの棺のような形。
右は分館内部
天井にはデッサンや油絵がはめこまれていて、一枚のフレスコ画を思わせます。
教会のドームのような建築です。
無言の一つ一つの作品の中に、戦死した画学生たちのもう一つの生命が生きていて、胸ふさがれる思いでいっぱいになり、戦争の愚かさや何気ない日常の平和の大切さが錯綜して、
見る私の心にたくさんの思いをかきたてるのです・・・
交通の便の悪い場所にありますが、このブログを読んで下さった方は、是非一度訪ねて衝撃の思いを体験していただきたいと思います。未来の平和のために。
by hohho-biny
| 2010-05-23 08:32
| 気まま旅