絵葉書展覧会 小野竹喬
2010年 04月 03日
竹橋にある国立近代美術館で「小野竹喬展」を観ました。
小野竹喬(1889~1979)は、日本画の新しい表現を模索した画家で、生誕120年の記念展でおよそ75
年にわたる回顧展です。
私は、後年の簡潔な構図で四季の自然を描いた美しい色彩の画風が好きです♪
「風景の中にあるかおりのようなもの」(画家のことば)を画面にとらえようと、さりげない自然の表情に眼を向け続けました。
晩年の代表作”奥の細道句抄絵”10点も並んでいます。手持ちの絵葉書でお目にかけますね。
このチラシの絵は、奥の細道句 田一枚植えて立ち去る柳かな
1976年
暑き日を海にいれたり
最上川
1976年
あかあかと日は難面もあきの風
1976年
まゆはきを俤にして紅粉の花
1976年
日本の四季 春の湖面
1974年
夕茜 1968年
野辺 1967年
日本の四季 京の灯
1974年
深雪 1955年
夕雲 1965年
樹間の茜 1974年
彩秋 1960年
牡丹雪 1973年
絵葉書が語る画家の四季折々の心象風景に私の心も癒されます。
画家の道を歩き始めていた一人息子の春男は、中国に出征して1943年12月戦死、26歳の生涯を閉じました。
茜色の空や雲の絵が多いのは、そこに魂の救済を求めていたのかもしれないと思えるのです。