ホッホーとは、ふくろうの鳴き声です。また、「なるほど、なるほど、ホッホー」と感心する声でもあります。


by hohho-biny
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手紙~親愛なる子供たちへ~

f0139963_7172861.jpgここ数年、手紙を書かなくなりました。
そのせいかどうか・・・
手紙を受取ることも滅多になくなりました。
郵便受けにはダイレクトメールやチラシばかり入っています。
世の中がせわしくなり、便利になり、携帯やメールで事が済むようになったせいです。
何だか味気ない寂しい世の中になりました。
私がブログを綴っているのも、手紙の名残りです。
でも、宛名のない手紙・・・
そして、返事のこない手紙・・・
情報社会のブラックホールにどんどん落ちていくような気がして時々書くのがいやになります。


この本は写真詩集です。2009年3月初版 角川書店
以前、テレビの「誰も知らない泣ける歌」で放送され、大反響のあった詩です。

二年前、訳者角智織氏にある日突然、メールで届いたポルトガル語の原詩。
発信人不明、作者不明。

作詩者の年老いた私は、どんな心境でこの手紙をしたためたのか?
手紙から立ち現れる作詩者の姿が目にせまり、読む者を過去から現実へそして未来へと引きずり回します。
老化現象をありのままに受けいれられないもどかしい親子の葛藤を文字にして伝えたかったのか?
それとも世界中の人々に通じる問題としてあえて提起したのか?
はたまたひっそりと子供に伝えたかった詩文が盗まれてネット社会の波に乗って本人の意思とは関係なく世界中にばらまかれてしまったのか?
読み手は様々な思いにとらえられます。

万感の思いが綴られた魂の言葉に揺さぶられた角氏が翻訳して、シンガーソングライター・補訳者の樋口了一氏が作曲して歌っています。
 

          年老いた私が ある日
          今までの私と違っていたとしても
          どうか そのままの私のことを
          理解して欲しい

          私が服の上に
          食べ物をこぼしても
          靴ひもを結び忘れても
          あなたに色んなことを教えたように
          見守って欲しい

          あなたと話す時
          同じ話を何度も何度も繰り返しても
          その結末を どうかさえぎらずに
          うなずいて欲しい

          あなたにせがまれて 繰り返し読んだ
          絵本のあたたかな結末は
          いつも同じでも
          私の心を平和にしてくれた

          悲しい事ではないんだ
          消え去ってゆくように
          見える私の心へと
          励ましのまなざしを向けて欲しい

          楽しいひと時に
          私が思わず下着を濡らしてしまったり
          お風呂に入るのをいやがるときには
          思い出して欲しい
          あなたを追い回し
          何度も着替えさせたり
          様々な理由をつけて
          いやがるあなたとお風呂に入った
          懐かしい日のことを

          悲しい事ではないんだ
          旅立ちの前の準備をしている私に
          祝福の祈りを捧げて欲しい

          いずれ歯も弱り
          飲み込む事さえ
          出来なくなるかも知れない
          足も衰えて立ち上がる事すら出来なくなったら
          あなたがか弱い足で立ち上がろうと
          私に助けを求めたように
          よろめく私に
          どうかあなたの手を握らせて欲しい

          私の姿を見て悲しんだり
          自分が無力だと思わないで欲しい
          あなたを抱きしめる力がないのを
          知るのはつらい事だけど
          私を理解して支えてくれる
          心だけを持っていて欲しい

          きっとそれだけで それだけで
          私には 勇気がわいてくるのです
          あなたの人生の始まりに
          私がしっかりと付き添ったように
          私の人生の終りに
          少しだけ付き添って欲しい

          あなたが生まれてくれたことで
          私が受けた多くの喜びと
          あなたに対する変わらぬ愛を持って
          笑顔で答えたい
          私の子供たちへ
               愛する子供たちへ
by hohho-biny | 2009-12-06 09:11 | 詩の時間