桃の花
2009年 03月 13日
桃の花 山之口貘
いなかはどこだと
おともだちからきかれて
ミミコは返事にこまったと言うのだ
こまることなどないじゃないか
沖縄じゃないかと言うと
沖縄はパパのいなかで
茨城がママのいなかで
ミミコは東京でみんなまちまちと言うのだ
それでなんと答えたのだときくと
パパは沖縄で
ママが茨城で
ミミコは東京と答えたのだ言う
一ぷくつけて
ぶらりと表へ出たら
桃の花が咲いていた
これは「桃の節句」という題で頼まれて
山之口が晩年に書いた作品。
ミミコは、山之口貘の一人娘、泉さんのことです。
私がこの詩を素敵だと思うのは、女の子の節句に、ミミコが幼い頭で一生懸命考えてきちんとした意見を述べているからです。
父と娘の会話から、親子でも一人一人違っていていいのだというほのぼのとした了解が伝わってきます。
女の子の祭りに、このようにグローバルな会話ができる父と娘は素敵♪
沖縄県出身の彼が、差別と貧困の中から生み出した詩の言葉の深さに深く胸を突かれることがあります。
不平不満を言うのではなく、このように上質な言葉に変換してしまう彼の眼差しが素敵です。
ベランダの花たちが、
春よ、春よと言っています。
クリスマスローズが
こんなにたくさん咲きました♪
スノーフレークは、ひっそり清楚に咲いています☆
私の友だちボケの花は、とっても元気♪