ホッホーとは、ふくろうの鳴き声です。また、「なるほど、なるほど、ホッホー」と感心する声でもあります。


by hohho-biny
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老監督の思い

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96歳、現役バリバリの映画監督、
新藤兼人の最新作
「石内尋常高等小学校 花は散れども」を観ました。
新藤氏の故郷、広島の小学校に通ったときに出会った熱血先生の伝記で、彼へのオマージュになっています。








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奈良に遠足に行った時、撮影現場に出くわし、助監督に「田舎っぺえ」と言われて「我が小学校を侮辱したなあ!!」と怒り、助監督を殴りつける場面。

物語は30年後に飛び、先生の定年退職記念に同窓生が集まる。
その間、戦争があり、広島に原爆が落ち、大正14年に32名いた六年生は、16名に減った。
ひとりひとりが今日までどう生きてきたかを語る。30年の歳月は長く、重く、つらく悲惨な戦争体験が浮かび上がる。
整列して直立不動で、大きく口をあけ懸命に歌う校歌の場面が素晴らしくすがすがしい。
新藤兼人書き下ろし、林光作曲の校歌に新藤氏の故郷への思いが込められています!
先生役の柄本明、売れないシナリオリライターの豊川悦司、初恋の彼を思い続ける料亭の女将役の大竹しのぶ等ベテランの演技が秀逸で、いろんな場面で胸チュン、涙ウルウルになりました。

監督の制作ノートより(パンフレットに記載)

この作品は、わたしの小学校の体験記である。
わたしは、お母さんに連れられて、はじめて小学校の門をくぐった。
先生が巨大に見えた。これまではお母さんがわたしのすべてであったが、
それより大きな「先生」というものが現われたのである。
先生は、黒板と生徒の中に立って、教科書に従って授業を行ったが、
教科書以上のものが先生にはあった。
それはのちになって考えると、先生の「人格」であったが、
少年の胸には先生の体から発する「光」のようなものであった。
道徳や正義や友愛が光の中にピカピカ光っていた。
そのピカピカはいつまでもわたしの心に残って、
わたしの人生に強い影響を与えた。
その思いを、思い出しながらシナリオを書いた。

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by hohho-biny | 2008-10-07 07:47 | 映画時間